横浜市の中心であり、神奈川随一のビッグターミナルである横浜駅。SUUMO住みたい街ランキング2024では7年連続となる1位を獲得しました。不動の人気とも言える横浜駅から徒歩12分の地に誕生する新築マンション、「プレディア横浜高島台」(以降では本物件と記載)について物件ポジションおよびエリアレポートをしていきます。
- 立地の特徴やポジションを知りたいな
- 横浜駅徒歩圏は魅力だけど徒歩ルートはどうなの?
- 建設地や周辺はどんなところ?
- 価格はどれくらい?周辺相場も知りたいな
本記事ではこのような疑問や悩みについてレポートしていきます。
ズバリ第1期1次の平均坪単価は452万円。
駅距離のわりに強気な値付けでは?と感じたのが率直な印象です。皆様の目にはどのように映りましたでしょうか。
上記価格を踏まえて、ポジションの捉え方が難しい物件だと感じました。本記事ではマクロ・ミクロそれぞれの視点において、物件ポジションを深掘りしていきます。とくに駅距離と動線は物件攻略においてキーポイントになりそうです。公式サイトに掲載されている4パターンの徒歩ルートを全て検証したので、感想も含めて詳しくレポートしていきます。
試行錯誤の攻略レポートにつき、大ボリュームの記事になってしまいました。下の目次から興味あるか所を選んでお読みいただけますのでご活用ください。
物件概要
物件名 | プレディア横浜高島台 |
所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区高島台24番地1他(地番) |
交通 | 東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線・JR線・京急本線「横浜」駅(きた西口)徒歩12分 横浜市営地下鉄ブルーライン「横浜」駅(出口10)徒歩12分 相鉄本線「横浜」駅(西口)徒歩13分 東急東横線「反町」駅(駅舎)徒歩7分 |
総戸数 | 98戸 |
構造/規模 | 鉄筋コンクリート造6階建 ※建築基準法上は地上5階、地下1階建 |
駐車場 | 36台(平置5台、機械式30台、身障者用平置1台) |
間取り | 3LDK・4LDK |
専有面積 | 68.78㎡~92.38㎡ |
完成予定日 | 2025年4月中旬(予定) |
引渡可能年月 | 2025年5月下旬(予定) |
敷地面積 | 4,912.47㎡(売買対象面積) |
分譲後の敷地の権利形態 | 専有面積割合による所有権の共有 |
用途地域 | 第二種中高層住居専用地域 |
地域・地区 | 準防火地域、15m第三種高度地区 |
売主 | JR西日本プロパティーズ株式会社/三菱地所レジデンス株式会社 |
施工会社 | 風越建設株式会社 |
ポジション(マクロ視点)
横浜駅徒歩圏に住むことで、どんなメリットや恩恵があるのか。まずはマクロ視点で物件ポジションを確認していきましょう。
横浜駅徒歩圏の魅力
アクセス利便×商業利便×再開発
私が考える横浜駅徒歩圏に住まうメリットの3大要素です。県内最高峰とも言える交通利便と商業利便を兼ね備えながら、再開発によって変化しつづける街は今後益々の期待が膨らみます。加えて、港町としての歴史や文化が一体となり、街としての魅力が凝縮していることが人気の理由ではないでしょうか。
なお徒歩圏の定義はわかりかねますが、ここでは15分以内として話を進めたいと思います。
アクセス
電車や車、バスと用途に応じた縦横無尽な交通網は、県内一の利便性を誇ると言っても過言ではありません。
電車アクセス
JR各線のほか、私鉄や地下鉄の10路線が乗り入れ、都心主要エリアへもダイレクトアクセスが可能です。
主要駅への乗車時間は以下になります。
※平日の通勤時(目的駅に7:00~9:00着)
- 品川駅:直通17分
- 東京駅:直通26分
- 渋谷駅:直通27分
- 新宿駅:直通33分
新幹線を利用する場合は、ブルーラインで「新横浜」駅まで直通11分です。
各駅停車駅にはなりますが「反町」駅も利用できるので、東横線ユーザーにはありがたいですね。オン・オフによる使い分けもできそうです。
カーアクセス
建設地からは首都高速神奈川2号三ツ沢線の「横浜駅西口」まで1.2kmと至近です。第三京浜・横浜新道へ繋がる保土ヶ谷ICも近くにあるので内陸部の移動も快適です。
バスアクセス
横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)は「横浜」駅東口のスカイビル1階にあるバスターミナルです。羽田空港と成田空港行きのリムジンバスがあるので空港へのアクセスが快適です。横浜・八景島シーパラダイスや御殿場プレミアム・アウトレット、箱根、軽井沢、木更津、舞浜など、多方面へ高速バスの利用ができます。
駅前商業利便
もはや言わずもがな、駅周辺は多彩な商業施設が集積します。駅西口にはCIAL横浜やニュウマン横浜、ジョイナス、横浜モアーズなどの複合商業施設のほかに、百貨店の横浜高島屋があります。2023年10月にはダイエー横浜西口店跡地にCeeU Yokohamaがオープンしました。商業施設の話だけでお腹いっぱいになりそうなので割愛しますが、東口方面も含めて買い物好きにはたまらない環境ですね。
トレンドや最新情報をキャッチしやすい環境も、駅徒歩圏内に住まう魅力ではないでしょうか。駅前商業を日常使いできるポジションは、ライフスタイルの幅が広がり、暮らしに彩りを与えてくれるでしょう。
再開発
駅周辺は再開発による進化が続いています。「エキサイトよこはま22」では、国際都市の玄関口としてふさわしいまちづくりを目指し、国際化への対応・環境問題・駅としての魅力向上・災害時の安全性確保などに取り組む計画が進行中です。
直近のトピックスでは、きた西口駅前広場の屋根工事が完了し、従前から見違える光景に目を見張りました。横浜駅みなみ東口地区市街地再開発準備組合設立が発表され、ザ ヨコハマ フロント商業エリアが6月20日にオープン。駅周辺は目まぐるしい変化が続いています。
本物件は「エキサイトよこはま22」のエリアから外れますが、街の発展と変化を近くで感じながら、その恩恵を得やすいポジションと言えます。
行動提起
公式サイトのトップページには、下の行動提起が謳われています。
多くの方が「横浜駅の新築マンション」と認識されるのではないでしょうか。「横浜」駅徒歩12分と住居系地域の表現は疑う余地がない事実ですが、最寄り駅が「反町」駅であるのも事実にほかなりません。
横浜駅からの距離ならびに難あるアプローチ、一番最寄りは「反町」駅、この2点により強気の値付けに違和感を覚えました。価格は横浜物件として引っ張られているけど、反町物件として見た時に割高ではないか?このような疑問が冒頭に記載した、ポジション把握が難しい物件と感じた理由です。
考え方に温度差はあると思いますが、思案するべきは横浜駅徒歩圏と値付けのバランスが許容できるポジションかどうかだと感じます。物件の位置付けをどのように捉えるかで、価格に対する納得感も変わってくるでしょう。後ほど紹介する駅徒歩ルートでは、懐疑的な視点も含めてポジション検証をしていきたいと思います。
高島台エリア
建設地は横浜駅周辺と比べて、約19.2m〜24.5m前後標高が上がります。敷地南側から北側にかけて下がる傾斜地のため、敷地内で標高差があります。ヒルトップではありませんが、駅周辺の賑わいから離れた落ち着きある高台エリアです。
アドレス名の高島台は、横浜の父とも称される高島嘉右衛門が住んでいたことに由来します。高島嘉右衛門は新橋から横浜間の鉄道敷設に伴う横浜港の埋め立てや、馬車道における日本初のガス灯設置を手がけ、横浜の発展に大きな功績を残した実業家です。
かえもん公園は高島嘉右衛門が住んていた屋敷跡にあります。石垣と自然豊かな周辺は歴史を感じる穏やかな街並みです。
建設地は駅周辺に広がる商業エリアから外れた、第二種中高層住居専用地域に該当します。本物件と同圏内の住居専用地域は限られた立地であることがわかります。
周辺には台町公園や上台町公園、沢渡公園、かえもん公園、高島山公園といった公園が点在し、自然豊かな住環境の良さが窺えます。
周辺エリアの分譲事例
下の用途地域マップでは横浜駅を最寄りとする販売中の新築マンション(2024年6月30日時点)を落とし込みました。
住居専用地域に該当するのは本物件とクレヴィアの2物件のみで、ともに駅距離と標高差がある高台立地になります。横浜駅徒歩圏で住居専用地域の新築供給は、プラウド横濱ヒルトップ以来となる約16年ぶりです。
駅距離やアドレス、商品企画は異なりますが、横浜駅徒歩圏と住環境の両立を訴求している点は共通しています。その一方で、プレディアは2割弱ほど坪単価が高く、面積帯も広くなるためグロス価格は大きく異なります。3LDK・南向き・中住戸・同等階の条件(プレディア:70.70㎡〜71.78㎡/クレヴィア:66.65㎡〜67.66㎡)で比較をすると、2,000万円前後の開きがあります。価格差を踏まえるとニーズや顧客属性は異なりそうですね。
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余談になりますが、横浜駅周辺には住宅が容易に建てられない横浜都心機能誘導地区が建築条例として定められています。商住共存地区では住宅を建てられますが、容積率に制限があり緩和するには店舗や事務所を併設する必要があります(THE YOKOHAMA FRONT TOWERやシティハウス横浜が該当)。
このようなエリアから外れ、駅徒歩5分かつ平坦な道のりとなるのはグレーシアとクリオの2物件のみです。グレーシアは「住宅特化エリアの最前席」という訴求表現を掲げ、強気となる坪620万円。一方のクリオはハード立地ゆえか、控えめな値付けの坪450万円です。両者の立地特性は大きく異なりますが、同じ駅距離にして4割弱もの価格差は大きく感じられます。
クリオと同水準の坪単価となる本物件。グレーシアが高いのか、クリオが安いのか、賛否はあると思いますがエリア相場の把握としてチェックしてみてください。
下記は横浜駅周辺新築マンションのアドレスや間取り、専有面積、広告キャッチコピーを横並びにした補足の一覧表です。
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本物件は平均専有面積73.5㎡のファミリープランで、このご時世において広めのプランニングが実現しています。
興味深いのは物件訴求のキャッチコピーです。どの物件にも「よこはま」のワードがマストで入っていますが、その表現方法と立地の特徴がリンクしています。漢字表記の①・②は住環境の良さを想起させる柔らかい印象に、③以降の駅近利便を連想させる物件は、英語表記によりエッジが効いた表現になっています。
①・②両物件とも住環境と利便性の両立をコンセプトとしていることから、「横浜」の一語で利便性の高さを謳っていると考えられます。売主側が物件を魅力的に訴求するのは当然ですが、全物件がこぞって使う「よこはま」というパワーワードの凄みと、駅徒歩圏内に住む価値の高さが窺えます。
ポジションまとめ(マクロ視点)
ここまでの話を踏まえて、マクロ視点によるポイントを挙げてみます。
生活利便の高さと住居専用地域による住環境の2本柱が本物件の大きな特徴ですが、駅距離とアプローチをどのように捉えるかがポイントになると思います。生活利便のメリットや再開発による恩恵は、駅に近いほど強く感じられその価値も高まります。住環境は良いものの、「横浜駅徒歩圏」が日常生活として困難に感じる距離感(アプローチも含める)であれば、価格への納得感は薄いでしょう。
相反するメリットと駅距離バランスに納得できるか否か。その検討要素となる駅徒歩ルートについて、以降では詳しくレポートしていきます。
駅徒歩ルート
公式サイトでは4パターンの駅徒歩ルートが掲載されています。全パターンを実際に歩いて検証したので、それぞれの特徴をレポートしていきます。マップ内に撮影ポイントを落とし込みました。別途作成した地形断面図では高低差が確認できます。写真と合わせて傾斜などの様子をチェックしてみてください。
各徒歩ルートの終わりに、対象のマップへ移動するアンカーリンクを設置しました。地形断面図下には高低差を比較するため、別ルートの地形断面図へ移動するアンカーリンクを設置したのでご活用ください。
ルート①:鶴屋町 階段ルート
まずは「横浜」駅きた西口から鶴屋町を通るルート①を紹介します。駅距離は最短(約920m/徒歩12分)となりますが、高低差の起伏が最も激しい動線です。既にご存知の方や鋭い方はお察しと思いますが、急階段を通るルートになります。
下の図は各地点の標高を表した地形断面図です。横軸は駅からの距離で、縦軸が標高です。左端の駅を起点に右端の建設地まで約920mの道のりとなります。駅周辺の標高は約1.6mで、高島台のヒルトップ地点は約37mとなり、最大約35mの高低差があります。下図からも起伏の激しさが窺えますね。
起伏の激しさやポイントに感じた地点に印(D・G ・I)を入れています。上記マップに落とし込んだ撮影ポイントのアルファベットとリンクしているので合わせご確認ください。
なお、90m手前の地点では標高が上がっていますが、帷子川の上をとおる首都高速道路を読み込んでおり、実際の徒歩ルートは平坦な道になります。
きた西口駅前広場からスタートです。階段通路やエスカレーター、屋根が設置されて見違えるように変わりました。再開発エリアの至近に住むことで、このような変化を身近に感じられますね。
鶴屋橋をわたり繁華街を通り抜けます。わちゃつき感はあるもののフラットな道のりが続きます。
環状1号線を超えた後は、雑居ビルが建ち並ぶ路地を歩きます。女性や子どもの夜の一人歩きは心許なく感じるかもしれません。ホテルを超えた先に急階段が待ち構えます。
これは修行!?と思えるような強烈な階段通路です。100段以上あり、坂や階段を見なれた横浜市民でもヘビーに感じるのではないでしょうか。毎日の通勤で使うのであれば、それなりの覚悟が必要になるレベルだと思いました。
階段を上がりきるとアドレスは台町に変わり、旧東海道にでます。道は平坦なのでしばしの間、休憩ができます。
神奈川台の関門跡まで進んだ後は上り坂に入ります。
勾配がきつい坂道が高島台のヒルトップまで続きます。道は広くなく、歩道が整備されていないので、車が通行する際は注意が必要です。階段道から続く坂道は足腰に堪えるかもしれません。
坂を上った先の右手に見えるのが上台町公園です。左手にはプラウド横浜ヒルトップが建ちます。インターロッキングで道路が舗装されており、自然豊かで高台ならではの落ち着きが感じられます。駅前や鶴屋町のエリアと比べて景色や雰囲気が一変します。
ヒルトップを超えてさらに進むと建設地のクレーンが見えきました。ここから先は下り坂になります。
坂を下りながら左手に見えるのが建設地です。急階段を上った後に上り坂に続き、さらにラストスパートは下り坂になります。
建設地に到着です。工事車両ゲート付近がマンション出入口になります。横浜駅からの最短ルートになりますが、起伏が激しく体感的には距離分数以上に感じました。夏場やベビーカーを押しての通行は容易ではないでしょう。今回は駅から建設地までのレポートですが、建設地から駅へ向かう場合は、エントランスを出てすぐ上り坂になる点も考慮した方が良さそうです。アップダウン激しい道のりは人を選ぶかもしれませんね。
ルート②:沢渡ルート
2番目のルートは沢渡方面を経由する迂回ルートになります。ルート①と比べ穏やかな高低差のアプローチです。
公式マップのルート②は最短距離をとるため、市営地下鉄ブルーラインの出入口を起点としています(約940m/徒歩12分)。ルート①と同様、きた西口を起点とする場合は、環状1号線を沢渡方面へ進むルートが良さそうです(水色点線のルートを経由して計13分ほど)。
駅西口の地下にはジョイナス地下街があり、多くのお店が軒を連ねます。以下では仕事帰りに買い物や食事をしながらの帰路を想定して、地下街を通り抜けるルートを紹介したい思います。
ジョイナス地下街のフロアマップです。スーパーや食品、グルメ、ファッション、雑貨、本屋、生活サービスなど、至れり尽くせりのラインナップです。悪天候時は雨風がしのげ、快適にショッピングや飲食が楽しめます。ヨドバシカメラと地下で連結しているのもありがたいですね。
※スマホでの閲覧は文字等が小さいので画像を拡大してご覧ください
地下街は駅から直結しているので便利です。
建設地方面へ向かう最寄りの出入口は4か所あります(北8 ・北9・南11・南12)。目的や気分に応じてルートを変えるのもアリですね。
4か所の中で最も駅寄りの出入口が北8です。今回はこの出入口から建設地までのルートを紹介します。北8から建設地サブエントランスまで約700m/徒歩9分です。地下街の通行時間を約5分とすると、駅からの所用時間は14~15分になります。
地形断面図の起点は北8から測定しています。先に紹介したルート①と比べて、起伏が緩やかなことがわかります。距離分数は1~2分ほど延びますが身体的負担は少ないと思います。
なお、60m手前で標高があがっていますが首都高速道路を読み込んでしまっており、実際の徒歩ルートは平坦な道となります。
首都高速道路の下を通って道なりに進むと歩道橋が見えてきます。先にある環状1号線を渡るのですが、地上には横断歩道がないので歩道橋を通る必要があります。エレベーターの利用も可能です。
歩道橋上から見た交差点の様子です。歩道橋を下りたあたりから緩やか上り坂になっています。
写真左側が沢渡で右側が高島台になります。
建設地までは歩道が広く、穏やかな坂なので歩きやい道のりに感じます。
途中には沢渡中央公園があります。駅から近く、都会のオアシスとなるような自然豊で大きな公園です。地下街から南11・12の出入口を利用する場合は、写真の横断歩道を渡ると短い距離で進めます。
歩道を渡った先には沢渡公園もあります。ルート②は道が広く、自然や開放感を感じられるアプローチです。
まいばすけっとは駅からの動線上で最後にあるスーパーになります。建設地から徒歩4分と至近なので、買い忘れや荷物になるものを帰り際に購入するのは便利ですね。
緩やかな坂を上った先にある沢渡交番を右に曲がります。横浜ではよく見る光景ですが、スキージャンプ助走路のような急勾配の坂道ですね。
坂道を歩く距離は短く、階段から台町公園へ通り抜けます。
横浜駅西口まで運行するバス停が至近にあるので、利用する際はこの通路を使います。
建設地のクレーンが見えました。野球場の横をとおり抜けて到着です。
駅から迂回する分の距離は増えますが、坂道の傾斜は緩くアップダウンがないので、心身ともに負担を軽く感じるアプローチではないでしょうか。駅距離が許容できれば歩きやすいルートになると思います。
ルート③:はまレールウォーク ルート
ルート③はハマレールウォークを通るアプローチになります。
ハマレールウォークはJR横浜タワーとJR鶴屋町ビルを結ぶ約200mの歩行者デッキです。通路の幅が広いので歩きやすく、屋根付きなので雨天時も快適に通行できます。
再開発の象徴とも言えるザ ヨコハマ フロントです。大規模タワーは住宅・商業・ホテルからなる複合施設。6月20日にレストラン・商業エリアがオープンしました。
さらに進むとJR鶴屋町ビルに繋がります。ビル内にはCIAL横浜ANNEXが入っています。文化堂をはじめとするスーパーマーケットのほか、生鮮食品やお惣菜、スイーツを扱うお店もあります。仕事帰りに夕食の買い物はもちろんながら、フィットネスクラブもあるので、ストイックな方はトレーニングもできますね。駅直結の複合商業施設はスマートなライフスタイルを叶えてくれそうです。
エスカレーターを下りて台町方面へ進みます。
下の地形断面図は、CIALのエスカレーター乗降口を起点として測定しています。地点Fは神奈川台の関門跡になり、以降の道のりはルート①と同じです。
駅付近から関門跡の標高差は約20mと変わりませんが、短い距離(※1)を急階段で一気に上がるルート①に対し、長めの距離(※2)を坂道でじわりじわりと上がるルート③はアプローチが異なります。じわりじわりと言ったものの、ルート②よりも傾斜はあるので油断は禁物です。
※1 写真①-Dの階段移動距離は約45m
※2 写真③-Dから③-Eを経由して③-Fまでの移動距離は約270m
CIAL向いの横断歩道を渡り路地に入ると、街並みの雰囲気が変わります。右手に見える料亭 滝川さん付近から坂道になり、T字路にぶつかる道が旧東海道になります。
旧東海道の様子です。緩やかとは言えませんが、歩道が整備された坂道が続きます。左手に見えるのが老舗料亭の田中家さんです。
関門跡の地点で徒歩ルート全体の7割ほどになり、以降はルート①と同様のルートです。ルート③は坂道が連続するネガティブ要素はありますが、鶴屋町エリア再開発の恩恵と、旧東海道に残る歴史の新旧異なる景色が味わえます。
ルート④:反町駅ルート
最後に紹介するルート④は反町駅利用のルートです。広告表現では横浜駅物件と思いがちですが、最寄り駅は東急東横線の「反町」駅になります。
公式サイトで掲載されているルートは最短距離となるルートですが、アップダウンがある道のりになります。
急勾配ではありませんが、坂と階段による起伏が多くあります。細い路地も多く視界が抜けづらく、閉塞感が否めないアプローチです。
本記事ではアレンジバージョンとして、平坦な道が多い緩やかなルートを紹介します。公式マップにピンク色の点線で加筆をした大通りを歩くルートです。
というわけで、ルート起点となる反町駅から改めてレポートします。
駅は茶色と緑を基調とした独特なデザインの駅舎が印象的です。メルヘンチックでかわいらしいですね。ホームは地下4Fに位置するため、地上への移動に時間がかかります。エレベーターが設置されていますが、階段やエスカレーターを利用する場合は時間に余裕を持った方がよいでしょう。
東横フラワー緑道から見た駅西側の様子です。駅を出るとすぐ目の前に横浜新道が通ります。交通量が多くトラックなどの商用車両も走る大通りです。
反町駅の周辺は隣の横浜駅周辺とは一変して、下町情緒ある街並みが特徴です。レトロな雰囲気にほっこり和みますね。
動線上には商店が並び、コンビニもあります。
駅から泉町交差点までフラットな道のりです。横浜新道から分岐する道を左に進み、沢渡方面につながる六角橋第394号線沿いを直進します。
通りに沿って歩道が整備された道を直進していきます。緩やかな傾斜になっていますが、気になるほどではないと思います。陸橋手前を左折すれば建設地まで残りわずかです。
正面に建設地が見えてきました。ラスト130mほど坂道になりますが、他のルートに比べれば比較的緩やかな傾斜です。駅からの距離分数は約580m/8分となり、公式マップのルート④と大きく変わりません。個人的には開放的で起伏が少ないこちらのルートをお勧めします。
バス便ルート
物件至近にはバス停があります。横浜駅西口まで運行しており、所要時間は最短で約5分。平日通勤時間帯(7時〜9時)の運行本数は34本あります。混雑状況は気になるところですが、悪天候時や荷物が多い場面では助けになりそうです。
建設地と周辺の特徴(ミクロ視点)
ここからは建設地と周辺の特徴について、ミクロ視点でレポートしていきます。
建設地の様子
4,900㎡超の広々とした敷地は四面接道し開放感があります。東側に高島台公園、西側に台町公園と2つの公園が隣接し、自然豊かなロケーションです。
外側・南向きのADVANCE COURT(以降ではA棟と表記)、西向きのBRICKS COURT(以降ではB棟と表記)、内側・南向きのCENTRAL COURT(以降ではC棟と表記)からなる3棟で構成されています。東西に長い敷地形状のため、南向きプランが多くあります。空地率約53%のゆとりを感じるランドプランは緑化率18%が実現し、充実した植栽計画になっています。
A棟とC棟の間には中庭となるコートプロムナードがあり、エントランスアプローチ横は豊かな外構となっています。エントランス付近には前庭と坪庭が配置され、マンション内でも自然を感じらる商品企画です。敷地周辺とマンション内の自然が調和され、住まう人に癒しと安らぎを与えてくれそうですね。IAO竹田設計が監修するデザインにも期待が膨らみます。
北東角から撮影した建設地の様子です。
写真右が北側の接道となり、高低差ある敷地内において最もグランドレベルが低い位置となります。エントランスや車寄せが配置されますが、車通りは少なく落ち着きがあるので、子どもの出入りなどは安心感があるでしょう。
南から北に向かって下がる傾斜となる東側接道は、多くありませんが車通りがあります。歩道が道路片側のみで、敷地側にないのが気になりました。高島台公園は隣接というよりも、敷地と一体になっているように感じられますね。主開口が東向きとなる住戸はありませんが、角住戸は電柱・電線が気になるかもしれません。
敷地南側から北方向の撮影です。
西側に見えるのが台町公園になります。東側には高島台公園があり、2つの公園にはさまる建設地は自然豊かな環境であるのがわかります。南方向を除き、周辺には高い建物がないので、空を広く感じられる開放的な立地です。
南側接道前面の敷地は売主であるJR西日本プロパティーズが所有しています。現在は施工会社の事務所となっていますが、将来的にはマンション建設が予定されています。本物件の敷地よりもグランドレベルが高い位置に建つため、東側の一部住戸を除き前建てとして被ってきます。
B棟の前面は台町公園の野球場になるので抜け感を得られる配置になります。
北側接道の様子です。
接道越しとなる北側は戸建て住宅や駐車場となるため、圧迫感がなく開放感があります。撮影地点の後ろは台町公園となり、車は通行できないので交通量はなく落ち着いています。なお前面の駐車場はJR西日本プロパティーズが所有しており、将来的にどうなるかは不明です。
北西角からの撮影です。
南から北に向かって傾斜していることがわかります。西側接道沿いに見える擁壁の上にB棟が建ちます。台町公園の植栽とは被らないので前面は抜けてきます。眺望抜けが限られる配棟において、条件良いポジションです。前面は野球場になるため、野球が行われる時の人の声と、強風時の砂埃が気になるかもしれません。
北西角の近くにサブエントランスが設置されます。バス利用や沢渡方面を経由して横浜駅へ行く時も含め、台町公園に快適にアクセスできます。
隣接する台町公園の様子です。自然豊かで広々しており、開放感抜群です。お子様がいるファミリー世帯はとくに、恵まれた環境に感じるのではないでしょうか。
防災情報
高台に位置する建設地は水害による防災性が高い立地と言えるでしょう。
横浜市によるハザードマップの状況を災害項目ごとに確認しました。丸印がついた箇所が建設地です。
土砂災害
該当ありません。
洪水
該当ありません。
内水
敷地西側と北側の一部は内水浸水想定区域として該当します。浸水深の目安は、2〜20cm(道路冠水相当)が想定されています。
地震
元禄型関東地震被害想定とした場合、震度6弱が想定されます。
液状化
該当ありません。
生活施設
商業
徒歩10分以内の買い物施設をピックアップしました。メインの買い物を横浜駅周辺と割り切れば、日常使いやちょっとした買い物をするには不便はないでしょう。
・セブンイレブン横浜泉町中央店(約150m/徒歩2分)
・まいばすけっと反町駅西店(約260m/徒歩4分)
・まいばすけっと横浜沢渡公園前店(約290m/徒歩4分)
・ファミリーマート横浜沢渡店(約300m/徒歩4分)
・セブンイレブン横浜上反町店(約450m/徒歩6分)
・トップパルケ反町店(約680m/徒歩9分)
医療
周辺には医療施設が点在します。小児科や休日急患診療所も至近にあるので、いざという時も心強いですね。
建設地から至近にあるYAOKAN CLINIC BLDG (約340m/徒歩5分)は下記のクリニックが入る医療ビルになります。
・いいじま内科クリニック
・反町こどもクリニック
・たんまちファミリー歯科
・みどりレディースクリニック横浜
・神奈川区休日急患診療所(約930m/徒歩12分)
教育
通学区の小・中学校は以下になります。通学しやすい距離感はメリットになるでしょう。
・青木小学校(約560m/徒歩7分) 児童数763名/28学級(2023年度)
・栗田谷中学校(約890m/徒歩12分) 児童数464名/15学級(2023年度)
建設地から徒歩5分以内には幼児施設が点在します。
・いずみ反町保育園本園(約180m/徒歩3分)
・いずみ反町保育園分園(約210m/徒歩3分)
・クルミ保育園(約230m/徒歩3分)
・アイン高島台保育園(約250m/徒歩4分)
・横浜シュタイナーこどもの園(約260m/徒歩4分)
公園
建設地隣接の公園のほかにも、周辺には自然豊かな公園が点在します。横浜駅徒歩圏としながら、住環境が良いポジションは本物件ならではの強みだと思います。
・台町公園(約20m/徒歩1分)
・高島台公園(約80m/徒歩1分)
・上台町公園(約270m/徒歩4分)
・沢渡公園(約300m/徒歩4分)
・沢渡中央公園(約330m/徒歩5分)
・かえもん公園(約390m/徒歩5分)
・高島山公園(約400m/徒歩5分)
・東横フラワー緑道(約540m/徒歩7分)
・沢渡第二公園(約550m/徒歩7分)
第1期1次価格・ランニングコスト
具体的な販売価格の記載はひかえますが、第1期1次販売住戸における全体の平均坪単価と、各棟ごとに平均坪単価をまとめました。南向きよりも抜け感を得られる西向きの方が高い単価設定になっています(B棟は面積調整されており他棟より小さめの面積帯)。坪370万円台〜坪570万円台のレンジとなり価格差が大きめです。C棟の2階(最も下階)は半地下住戸になりますが8,000万円台前半から用意されているので、階数や日照などを割り切れれば検討しやすいと思います。モデルルームはAtタイプでテラスの広さが魅力的でした。
以下はランニングコストになります。
共用部はシンプルではあるものの、ディスポーザ、エレベーター2基、機械式駐車場を踏まえると、管理費は良心的な設定ではないでしょうか。
中古マンション相場
売出し事例
周辺中古マンションの売出し事例を紹介します。
下のマップと一覧表は、2023年1月以降に売り出しがあった中古マンションです。2004年1月以降に竣工した横浜駅北側と反町駅を最寄りとするマンションを対象としています(THE YOKOHAMA FRONT TOWER・投資用は除く)。①~⑤は「横浜」駅最寄りで、⑥以降は「反町」駅最寄りの物件です。
一覧に掲載の価格は売出し価格になるため、実際の成約価格は低くなると思いますが、相場感の目安としてご覧いただければと思います。
下記リストに黄色マーカーで塗られている物件は、更新履歴がなく成約したと思われる物件です。黄色マーカーを付けていないものは売出し中の物件です(2024年7月3日時点)。
「横浜」駅最寄りの周辺中古マンションは、新築マンションの供給が少ないため中古の売出しも多くありません。面積帯が小ぶりのオープンレジデンシア横浜台町は、坪435万〜465万円前後で売り出し中です。駅距離14分となるパークホームズ横濱松ヶ丘は坪270万円前後で推移。築年数や立地特性、面積帯などによる条件の違いが多く見られ相場感が把握しづらいエリアです。
ベンチマークとなる物件が少ないのですが、立地条件や規模感が近い物件はプラウド横濱ヒルトップ(横浜駅徒歩9分)です。今年5月から売り出されているお部屋は坪378万円で現在も売出し中になります(2024年7月7日時点)。2023年9~10月時点では坪320万円前後で動いており、高騰した今の市場を踏まえ1割アップと仮定すると、坪350万円前後がいまの相場感でしょうか。面積帯が広くグロス価格が嵩む点からも、坪単価が伸びにくい傾向にあるのかもしれません。
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「反町」駅最寄りも築20年以内の中古マンションの売出しは多くありません。下記一覧のとおり2024年7月3日時点では売出しがない状態です。
徒歩5分以内の駅近物件が多く、単身・DINKS向けプランの売出しが多いエリアです。「横浜」駅最寄りと比べると、ファミリータイプの売り出しが少ないのがわかります。
物件規模や面積帯、立地などを勘案するとプレミスト横濱反町がベンチマークとなるでしょう。反町駅からの徒歩分数は劣りますが、横浜駅への近さと住居専用地域による住環境の良さは本物件の方が優れていると言えるでしょう。
中古相場との乖離はあるものの、広めのファミリープランとなる本物件が、反町エリアの中古市場においてどのような評価になるか気になるところです。足元の利便性は駅近物件に劣るかもしれませんが、閑静な立地と広いファミリータイプのマンションはエリア内で少ないので、希少価値が高まる可能性も考えられます。
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反町駅視点によるポジション
反町駅を視点に本物件のポジションを考えると、駅近物件が点在するエリアにおいて、駅徒歩7分は強みにならないでしょう。結論、ポジションの強みは住環境の良さと横浜駅方面に寄った立地の2点だと考えます。
反町駅東側は商業地域が広がり、横浜新道ならびに六角橋第394号線沿いは近隣商業地域になるため、ビルやマンションが建ち並びます。本物件は大通りから中に入った住宅地に位置するため、閑静で穏やかな住環境です。高い建物が少なく台町公園が隣接する立地は、開放感の良さが際立ちます。
大通りから中に入るメリットを挙げましたが、横浜駅方面に近寄るかたちで中に入る点がポイントです。反町駅西側エリアの大通り内側には旭ヶ丘や上反町、松ヶ丘、沢渡といった住居専用地域が広がります。そのどれでもなく、高島台に位置することが最大のポイントと言えるでしょう。高島台エリアがゆえに、横浜駅徒歩圏と言えるポジションを実現しています。
商業地域が広がり規模感が大きいマンションが少ない反町駅において、住環境が良好で、敷地面積4,900㎡超のスケールを有する本物件は穴場のポジションかもしれませんね。
おわりに
色々な角度で物件ポジションについてレポートしてきましたが、いかがでしたでしょうか。お高めな価格設定に感じる点は変わりませんが、駅距離とアプローチを許容できれば、得られるメリットが多分にある物件だと感じました。
聞こえのよいコンセプトである「利便性と住環境の両立」について、本物件は相反するメリットを高いクオリティで得られるポジションだと思います。横浜駅徒歩圏をバックボーンとする高い生活利便性(交通・商業)と、再開発による益々の発展は揺るぎないメリットと言えるでしょう。
横浜・反町駅ともに駅近ではないので、エリア内において突出したポジションではありません。しかし住環境や足回りの生活利便においては、駅から離れることで得られるメリットがあり、バランス良いポジションであるように感じます。
至近にバス停があるので、バス便利用で急勾配を回避して横浜駅まで行けますし、反町駅方面には起伏が少ない緩やかな道のりを歩けます。小・中学校が通いやすい距離にある点も挙げられるでしょう。このようなメリットはプラウド横濱ヒルトップより優れており、プラウドの眺望が抜けない点を考慮すれば、公園隣接で抜け感ある本物件(西棟)に分があるという見方もできます。
横浜駅周辺は容易にマンション建設ができませんし、徒歩圏内とはいえ規模感ある住居専用地域の新築マンションは久しぶりの供給です。敷地のスケール感と、ゆとりあるプランニングはエリア内でも希少な存在です。災害リスクが少なく、駅周辺の繁華街からは離れるので治安面にも安心感があります。
駅距離とアプローチは妥協できるが、生活利便(商業&交通)と住環境を高いクオリティで手に入れたい!というファミリー層には合う物件だと思います。横浜愛が強い東横線ユーザーならなおさらです。住環境への優先度が高くない方や、横浜駅周辺に住みたい拘りがなければマッチ度は低いでしょう。
毎度のごとく主観たっぷりなレポートになりましたが、今回は以上で終わりたいと思います。ここまでお読み頂きありがとうございました。